池田SGI会長とも親交のあった脚本家・松山善三さんと女優・高峰秀子さん夫妻。結婚当初、高峰さんは映画1本100万円の大スター、松山さんは月給1万円余りの無名の助監督だった▼“この女性に見合う男にならねば”。松山さんは猛然と脚本を書いた。結核を患いながらも仕事に向かう夫を、高峰さんも口述筆記をして支えた。20年後、収入は同等になった。名脚本家となった松山さんが後年、今度は、女優を引退した妻を支えた▼昨年末、本紙配達員を務める名古屋の婦人が、くも膜下出血で倒れた。命も危ぶまれ、夫は懸命に御本尊に向かった。祈る中、“妻の分まで”との思いが募り、配達員になることを願い出た▼一軒一軒、配達していると、日々、けなげに広布の道を走ってきた妻への尊敬と感謝の念が湧いた。“今度はおれの番だ。おれの祈りで助ける番だ”。婦人の体調は快方へ向かい、3週間後には医師も驚くほど元気な姿で退院。後日、夫婦そろって参加した座談会で、広布の誓いを述べた▼互いに異なる環境、文化のもとで育った夫婦は、家族であると同時に、“最も身近な他者”でもある。常に寄り添い、守り合うとともに、互いの成長へ切磋琢磨し合う関係であれば、人生はもっと素晴らしいものになる。(靖)