名字の言

〈名字の言〉2019年12月19日 一人静かに楽しむ読書もあれば、本を巡って誰かと語り合う読書もある。

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  年間のべ9000人が参加する日本最大規模の読書会コミュニティーが「猫町俱楽部」。主宰する山本多津也氏は、“本の内容を理解し、自分の考えを他者に伝える「アウトプット」によって、読書という「インプット」が正しく完了する”と強調している▼全国で年200回ほど開かれる読書会では、参加者が感じたことを自由に発言していく。目の前に並ぶ聞き手は、理解できれば“なるほど”とうなずき、分からなければ難しい顔をする▼そうした相手の反応を見ながら言葉を発するうちに、「頭の中に無造作に転がっていた思考のかけらが、パズルのピースのように少しずつはまって、まとまっていく」。つまり読んだ本の内容が「自分の中により深く内在化されていく」という(『読書会入門』幻冬舎新書)▼対話にも通じよう。相手に分かってもらいたい一心で、表現を考え、工夫を重ねる。その努力の積み重ねによって、自分自身の思想が磨かれ、言論の力が鍛えられていく▼池田先生は「対話の中でこそ、理解と確信は深まり、思想は輝きを放っていく」と。友の幸福を祈る真心から生まれる言葉は、相手だけでなく、自分の心をも豊かにする。(誼)