サッカーの女子アジア・カップで、日本代表が連覇を達成した。W杯優勝メンバーと期待の若手が融合した“なでしこジャパン”は、来年のW杯フランス大会に、アジア王者として出場する▼各チームのエース級が集まる日本代表だが、高倉麻子監督は“選手の心構えによって、その後が決まる”と語る。それは「自分が納得したい」とプレーするか、「人に認められたい」とプレーするか。そして、その違いは例えば、試合に出場できない時の行動に表れるという▼出場の有無にかかわらず、自分が納得できるまで練習する選手。一方で“あの子が出ているのに、なぜ私が出られないの?”との思いに縛られている選手。後者の場合、いつしか「成長は止まってしまう」(『個を生かし和を奏でる』徳間書店)▼他者の評価ばかりを気にするのは、周囲の環境に幸不幸を左右される生き方。そこから脱却し、自分が満足し充実できるかを基準に置く時、成長への回転が加速する。仏法の十界論で言えば、環境に支配される「六道」から、自身の変革を目指す「四聖」へ入ることである▼池田先生は「『最も難しい勝利』とは何か。それは、『自分に勝つ』こと以外にない」と。信仰とは日々、きのうの自分を超えていく挑戦である。(誼)