社説

〈社説〉あす「世界ラジオデー」 2022年2月12日

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心のこもった声が人を元気に
「世界ラジオデー」は1946年(昭和21年)2月13日、国連による放送が始まったことを記念したもの。日本のラジオ放送の始まりは1925年(大正14年)3月である。
テレビやパソコンの普及により、一時は“ラジオ離れ”が指摘されたが、近年は、インターネットラジオが登場し、ラジオのリスナーは増加傾向にある。
特にコロナ禍による“巣ごもり需要”も相まって、スマートフォンでラジオを聴けるサービス「radiko(ラジコ)」の月間ユーザー数は、一昨年の数カ月間だけで150万人も増加したという。radikoの青木貴博社長は、コロナ禍の中でラジオは「生活者に精神的な癒やしを与える役割を果たした」と強調する。
本紙でも昨年2月から、ポッドキャスト番組「ラジオ SEIKYO LABO」がスタート。これまでに22回配信し、紙面制作への熱い思いを担当記者の「声」にして届けてきた。
新聞校閲、紙面レイアウト、方面・県版の取材秘話など、毎回テーマを変えて行われるトークは「聖教を何倍も楽しめる」と好評だ。特に、出演した記者の声に「元気をもらった」との感想が多い。中には、入院中の病室や治療の前に聴いているというリスナーもいた。
聞き手は、声から話し手の心を読み取ることができる。例えば、声が上ずったり、小さくなったりするときは、自信がないことが伝わる。感情を抑えても、声のトーンで分かってしまう場合もある。
同じ言葉であっても、どんな思いで発しているのか、声からその心が読み取れる。ラジオなどの音声メディアが、情報収集のツールとしてよりも、人の体温まで伝えられるメディアとして見直される理由もそこにあろう。
池田先生は『青年抄』の中で「言葉の力は 心で決まる/心が根底にあるから/言葉が生きてくる/同じことを言っても/言う人の心の深さで/まったく力は違ってくる」と述べている。
コロナ禍で、多くの人が不安や不自由を感じている。直接会えなくても、SNSや電話などの通信手段を駆使すれば、心のこもった声を友に届けることはできる。
励ましを送りたい相手のことを思い浮かべ、希望と勇気を生む言葉を発信していきたい。