【御書本文】
大慢のものは敵に随うというこのことわりなり(撰時抄p287)
【通解】
大傲慢をきわめるものは、逆に敵に従わなければならないというのが道理である。
【先生の御指導から】
大慢心のものは、いざという時には、敵にしたがってしまうとの御指南である。
状況が変化すると、それとともに心が揺れる。心が転ずる。それが不安定な「慢」の生命である。
いつも、どちらにつこうか、どう動いた方が得か、そんなことばかり考えている。要するに「保身」の一念である。
自分を大事にし、よくしてくれるから、こっちについておこう。形勢が変わったから、今度はあっちへ行こう。そのように、落ち着きなく、常に自分の利害を中心に“機”をうかがっている。「法」が根本ではなく、自分の「エゴ」が根本である。ここに慢心の本質がある。
これまでの退転者らも、皆「大慢のもの」であった。ゆえに、純粋な信心の世界にいられなくなると、「敵に随う」姿を見せた。全て大聖人の仰せ通りの実相である。