【御書本文】
所謂此の経文に云く「有能受持是経典者亦復如是於一切衆生中亦為第一」等云云、此の二十二字は一経第一の肝心なり一切衆生の眼目なり、文の心は法華経の行者は日月大梵王仏のごとし、大日経の行者は衆星江河凡夫のごとしととかれて候経文なり、(四条金吾殿女房御返事p1134)
【通解】
その経文に「能く是の経典を受持すること有らん者も、亦復如是の如し。一切衆生の中に於いて、亦為れ第一なり」等と説かれているのが、それである。
この二十二字、法華経一経の中で第一の肝心の文である。また一切衆生にとって眼目というべき文である。この文の意は、法華経の行者は日月や大梵王・仏のごとく勝れ、大日経の行者は衆星・江河・凡夫のごとく劣るのであると、説かれた経文なのである。
【先生の指導から】
日蓮大聖人の門下として、雄々しく堂々と、幾多の難を勝ち越えて、「師弟勝利」の人生の劇を残した四条金吾。その金吾とともに、大聖人から「日本第一の女人なり」と讃えられたのが、夫人の日眼女である。
この日眼女にあてられた御手紙のなかで、大聖人は法華経の一節を引かれて、「この二十二字の文は、法華経のなかでも第一の肝心であり、あらゆる人々にとっての眼目なのです」(御書p1134、通解)と仰せになられた。
その重要な文とは、いったい何か。それは、薬王品の「能く是の経典を受持すること有らん者も亦復た是の如く、一切衆生の中に於いて、亦た為れ第一なり(有能受持是経典者、亦復如是、於一切衆生中亦為第一)」(法華経p596)という一節である。
是の経典─つまり、法華経を受持する人は、一切衆生のなかで第一であるとの宣言である。