名字の言

〈名字の言〉 2017年2月27日

スポンサーリンク

 道路際のフェンスが、ふと目に留まった。数日前に設置されたばかりなのに、もう植え込みの植物がつるを絡ませ、伸びようとしている▼たくましい生命力を感じるとともに、「葛は大きな松の木にかかって千尋に伸びることができる」(御書26ページ、通解)との御聖訓を思う。葛のつるは1日に30センチも伸びることがある。多くの植物は自らを支えるために力を使うが、葛は伸びる方に“集中”できるからだという▼青年が多く育つ地区の座談会に出席すると一つの共通点に気付く。会場の後方に必ず、いすに座って静かに皆を見守る草創の大先輩たちがいるのだ。著しい発展を遂げる各国SGIでも同じだった▼ドイツには炭鉱労働者や看護師として働きつつ広布を開いた先輩。スペインには学会を襲った障魔に動じず信心を貫いた壮年や婦人――。風雪に揺るがぬ大木があってこそ、葛はどこまでも伸びる。大仏法を体現してきた池田先生、また共に広布に尽くす草創の先輩方ありて、世界広布も青年拡大もある▼「植えた木であっても、強い支柱で支えれば、大風が吹いても倒れない」(同1468ページ、通解)との御金言がある。新時代を伸びゆく青年世代と見守り支える先輩世代。それぞれの使命を自覚する時、どちらの胸にも新たな力が躍動する。(洋)