名字の言

〈名字の言〉 2017年3月5日

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動物の写真集が売れている。猫や犬などかわいらしいものだけでなく、ゴリラも人気のようだ。“威厳のあるたたずまいが「哲学者」の雰囲気を感じさせる”という声もある▼霊長類学の研究者で京都大学総長の山極壽一氏は、集団生活をするゴリラのまとめ役を「ボス」とは呼ばず、「リーダー」と呼んで区別する。ニホンザルの場合、トップに立つのは「ボスザル」で、常に自分の力を誇示することで立場を保つ。だが集団同士のけんかになると若いオスが前線に出て、ボスは後ろに控えたままだという▼一方で、ゴリラの「リーダー」は存在感や振る舞いで周囲に頼られ、メスや子どもたちから「あなたに従っていく」と承認されている。いざ緊迫した局面になると、リーダーが一番前に出てドラミング(胸をたたくしぐさ)を。敵を威嚇し、皆を守るのだそうだ(山極壽一・小菅正夫著『ゴリラは戦わない』中公新書ラクレ)▼人間社会でも頼られるのは、威張らず、周囲に安心感を与え、いざという時は最前線に立つ責任感のある人だろう。学会で言えば、黄金柱の壮年部である▼池田先生は「勇んで戦いの先頭に立つとともに、同志の心のわかる温かい人間指導者に熟練してほしい」と壮年部に期待する。今日は同部の結成記念日。(朋)