“いいことメモ”を習慣にする友に出会った。日々の生活の中で“よかった!”と思うことがあるたびに、手帳を取り出して書き留めるという▼例えば仕事が順調に進んだ、友からうれしい連絡があったなどのほか、おやつがおいしかった、空が抜けるように青かった等、どんなにささいなことでもいい。実際にやってみた友は思いの外“いいこと”があることに気付いた。夜、手帳を開き、感謝の心で一日を終えるという▼有名な『ロビンソン漂流記』に、島に一人残された主人公が自身の生活について「いいこと」と「悪いこと」の“貸借表”をつくる場面がある。すると意外にも「いいこと」の方が多かった。過酷な状況の中にも希望は必ずある、との文豪の呼び掛けにも思える▼一つの同じような出来事を、“よかった”と喜ぶ人もいれば、“残念”と嘆く人もいる。要は、出来事自体の問題ではなく、それぞれの生き方の姿勢で幸不幸は決まるのだ▼池田先生は「朗らかに生きることだ。強い心の楽観主義で、よいほうによいほうに、明るいほうに明るいほうに自分の一念を向け、周囲もその方向に向けていくことである。何が起きても、楽しんでいくことである」と。このたくましい楽観主義で、自他共の幸福を大きく開いていこう。(道)