鹿児島・宮崎の県境に位置する新燃岳の爆発的噴火から、27日で6年を迎える。気象庁による火口周辺警報は「噴火警戒レベル2(火口周辺規制)」とされ、監視カメラやGPS観測などによる警戒が続く▼当時、中学3年だった友は、「噴火で授業は中止。帰宅の途中、かぶっていたヘルメットにコツコツと降灰の当たった音が忘れられません」と振り返る。その後、避難勧告が発令され、避難所生活を余儀なくされた▼受験は目前に迫っていたが、“こんな状態では不合格でも仕方がない”と、一時は進学を諦めかけた。そんな彼を支えたのは、避難所に駆け付けた同志の言葉。「大変な時こそ、人間革命のチャンスだよ。君の心が負けなければ、絶対に合格できる」と▼奮起した彼は、避難所で勉強を再開。翌月、第1志望の高専に見事、合格した。電気情報工学を学びつつ、一昨年はフィリピンに留学し、英語とセブアノ語を習得。現在は中国語を学び、「世界に雄飛を」と誓う。今春、首都圏の企業に就職する予定だ▼池田先生は「自身の弱さや臆病、怠惰、逃避、あきらめの心――それらを制してこそ、あらゆる勝利の扉が開かれる」と。環境に負けず、自分に負けず、勇気を奮い起こして挑戦し抜く人が人生の勝利者と輝く。(誼)