九谷焼、加賀友禅など伝統工芸が盛んな石川県。都道府県別の“人間国宝”の数は、人口100万人当たりで比較すると日本一の多さだ▼なぜ、これほどの栄華を築けたのか。ある識者は①江戸時代、加賀藩では工芸に意識の高い需要層が町人階級に多くいた②まねできない高度な技があった、と指摘する(北國新聞社編集局編著『風景 工芸王国』時鐘舎)。必要とする人々がいること。それに応えて、他の追随を許さぬものを生み出し続ける努力と執念。事業が永続し、発展していくための鍵がここにある▼きょうは本紙の創刊記念日。72周年を刻む。創刊に対する恩師の思いを池田先生は記している。「戸田先生は心に期しておられた。――庶民が、自分たちの新聞を掲げて、幸福と勝利の哲学を楽しく語り合える日を!」▼また、米ハーバード大学名誉教授のモンゴメリー博士は語った。「創価学会は聖教新聞を通して、自らの価値観を内に保持するだけでなく、それを社会に提供し、共有財産としようとしているところに、ユニークさがある」と▼人間は幸福を求めている。その熱願に応え、本紙は最高無二の生命哲学を発信してきた。戸田先生と池田先生が敷いた、この確かな軌道のままに一層の精進を誓う。(白)