名字の言

〈名字の言〉 2022年8月25日 「人生で最高の瞬間」はいつか。冒険家の三浦雄一郎氏は、それを「挑戦している時」と語る。5

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「人生で最高の瞬間」はいつか。冒険家の三浦雄一郎氏は、それを「挑戦している時」と語る。5日付本紙・北海道版のインタビューだ。氏は80歳で世界最高齢のエベレスト登攀を成す。89歳の現在も、病と闘いながら来季の富士山登頂を目指して挑戦を重ねている▼北海道のある壮年は数年前、病気で体が不自由に。“年も年だし”と一度は家にこもった。だが入院中から励まし続けてくれた同志に「心で負けてはいけないよ」と言われ、ハッとする▼外に出て、車いすでまずは近所を回ることにした。それを決まった時間に毎日続けた。すると「頑張ってるね」「手伝いましょうか」と何人もの住民から声を掛けられた。何げない会話から友好対話の輪が広がり、今ではその多くが友人になった▼人生はよく山登りに例えられる。新たな決意で挑む“山”は、その人にとっての“最高峰”。まだ見ぬ自分の可能性を信じ、少しずつでも理想の頂上へと歩みを進められるかどうか。険難の山道を登り切ってこそ、新しい“景色”を見ることができる▼先のインタビューで、氏はこうも述べていた。「誰だって何かに挑戦できる。その一歩一歩に感動がある」。限界をつくるのも破るのも、全ては自分自身である。(奔)