名字の言

〈名字の言〉 2018年7月29日  イソップ寓話に「樫の木と葦」という話がある。

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イソップ寓話に「樫の木と葦」という話がある。太い「樫の木」に比べ、細い「葦」はいかにも弱そう。しかし大風が吹いた時、倒れなかったのは葦の方だった。樫の木は頑丈さを過信して、まともに風を受け、根こそぎに。葦は懸命に体を曲げながら、風に耐え抜いた▼努力や信念だけではどうしようもない困難に直面した時、がむしゃらに“勝とう”とするより、粘り強く“負けない”こと。その生き方の大切さを、物語は教えてくれる▼順風満帆なだけの人生はありえない。不慮の事故、思いもしなかった病気、自然の猛威……。あまりに大きな苦悩に、打ちのめされることもあるかもしれない。その時、不安や心配事を、一人で抱え込む必要はない。決して孤独になってはならない▼「友との語らいは、喜びを倍にし、悲しみを半分にする」と西洋の格言にある。生命と生命は“感応”し合うもの。元気な人と会えば元気になるし、勇気の人と動けば勇気が湧き上がる▼池田先生は語っている。「人は誰もが勝利者になるために生まれてきた」「負けないことが、勝つことだ」。何があっても前へ、どこまでも前へ! 私たちには、一切を“幸福の糧”に転じる哲学がある。同志がいる。無限の力を引き出す、師弟がある。(誠)