南米の日系人と会う機会の多い人は、同じ印象を持っているだろう。それは“沖縄に多い名字”を持つ日系人が少なくないということ▼日本の人口に占める沖縄県民は約1%だが、海外の日系人(約380万人)における沖縄系は約10%。特に南米での割合が高く、ブラジルでは日系人の10%、アルゼンチンでは40%、ペルーでは70%に上るという▼沖縄では戦前と戦後、貧困等の理由から海外への移住がすすめられた歴史がある。最大時、県民の実に12%がハワイや南米などに移住したとされる。沖縄の移民の父・当山久三は「いざ行かん 吾等の家は 五大州」と壮大な心意気を詠んだ。移住者は異国の地で助け合い、厳しい生活に耐えた。現地の人とも誠実に接し、言葉は通じなくとも心を通わせた▼広布史においても、南米のペルー、ボリビア、チリの草創期を開いたのは、沖縄出身のリーダーだった。アメリカやヨーロッパ、アフリカなど沖縄の友は各国で活躍している▼池田先生は世界に羽ばたいた沖縄人を「ウチナーンチュの“一人立つ強さ”は、絶望的とも見える困難を乗り越え、各地で勤勉と努力の実証の華を咲かせていった」とたたえる。沖縄の“開かれた心”と“不屈の力”に学び、わが人生の険路を切り開いていこう。(結)