厳しい寒さが続くが、都内の公園では、梅のつぼみがほころび始めた。どの花にも先駆けて咲くことから、梅は「百花の魁」とも呼ばれる▼「明治六大教育家」の一人である新島襄は梅を愛したことでも知られる。彼が詠んだ漢詩に「真理は寒梅のごとし あえて風雪を侵して開く」と。風や雪に耐えて咲く梅のように、あえて逆境や苦難に挑み、乗り越えていく心を、彼は「敢為の精神」と呼んだ▼「敢為」は「敢えて為す」「敢で為す」と読む。私たちが日々、読誦する勤行にも「勇猛精進」とある。この「勇」こそ「敢で為す」と同じ意味に当たる。あえて苦労を求め、堂々と勝ち越えていく。そして再び、新たな挑戦を開始する――。この地道な鍛えの連続が“人間革命の道”だ▼戸田先生は「信心も、平坦な道ばかりを、ゆっくりと歩いていては、何も変わらない」と。今日の学会の発展は、創価の三代会長と草創の同志の忍耐と勇気によって切り開かれた。世界広布新時代の今、私たちは“新たな開拓者”との自覚に立ちたい▼「百花の魁」には、“すぐれた人物などが輩出する時期の先駆をなすこと”との意味もある。自身の最高峰を目指し、あえて挑戦を開始する。その勇気の一人から、百花繚乱の人材城の建設は始まる。(嶺)