イタリア創価学会の機関誌『仏法と社会』にマッツィーニ協会会長のインタビューが掲載されていた。同国統一の英雄マッツィーニの精神は今も人々の心に息づいている、と論じられている▼19世紀前半のイタリアでは、民衆は悪政や聖職者の横暴に苦しめられ、統一を絶望視する空気がまん延していた。その中でマッツィーニはイタリア統一という夢を描き、行動を起こした▼「人生とは――戦いであり、進軍である」(北御門二郎訳)との彼の信念はみじんも揺るがない。民衆を力強く鼓舞し続け、ついに祖国統一への道を開いた▼先日、関西文化本部の大会で登壇した学術部の婦人はマッツィーニの研究者。研究を志したきっかけは池田先生が折々に紹介したマッツィーニの信念だった。高校卒業後に就職しても、未来部時代に誓った“世界広布の人材に”との夢は胸に燃え続けた。30代で創価大学通信教育部を卒業し、50代で修士号を取得。修士論文が評価され、イタリア政府機関主催の研究会議で司会を務めるまでに。マッツィーニ協会会長とも親交を深める▼「誓願」は人間を強くする。諦めなければ活路は開かれる。「目的地が遠隔であればあるほど、絶えず前進することがますます必要だ」(原久一郎訳)とはマッツィーニの言葉だ。(探)