「『人間革命』の此の原稿は/わが師 戸田城聖先生の真実の/広布への大ロマンにして/弟子 池田大作が/確かに書き留めしもの也/一切の批難と謀略の言を/信ずること勿れ/わが門下に深く留む」。1980年(昭和55年)5月3日、池田先生は関西で、そう綴った▼当時、先生と会員の絆を断ち切ろうとする謀略の嵐が吹き荒れ、『人間革命』の連載は、78年8月3日を最後に休載となっていた。冒頭の一文を記した2カ月後、先生は再び『人間革命』の執筆を始める▼この時、先生は体調を崩していた。ペンを持つこともできないため、口述筆記を続けた。そうして本紙で再開されたのが、第11巻「転機」の章。題名の通り、連載は全同志の勇気を鼓舞し、正義の反転攻勢を開始する転機となった▼広布拡大の歴史は常に、『人間革命』『新・人間革命』と共にあった。米デューイ協会のジム・ガリソン元会長は、同書を学ぶ上での大切な点として、「『人間革命』を読んだ一人一人が、自らの“人間革命”の物語を綴り残せるよう努めていくこと」と述べた▼『人間革命』の原稿の綴りに、先生は記した。「信心の真髄/学会精神の魂/此に存する也」。師が魂魄をとどめる一文字一文字を、行動の中で生命に刻みたい。(芯)