旅行や帰省など車での移動が増える時期。家族や友人との思い出を刻む一方、想像するだけで憂鬱になるのが「交通渋滞」だ▼近年、「渋滞学」という研究が注目されている。提唱したのは、東京大学先端科学技術研究センター教授の西成活裕氏。氏によると、片側2車線の高速道路の場合、渋滞の始まりは「車間距離が40メートル以下になった時」という▼車間距離が短くなると初めの人のブレーキはわずかでも、後続車は少しずつ強く踏まざるを得なくなる。その強さは後ろにいくにしたがって、どんどん大きくなっていく。こうした連鎖反応によって、やがて車の流れが止まってしまい、ついに「渋滞」となる▼教授が勧める対策は、「十分な車間距離を取り、渋滞情報があれば、その手前でゆっくりと進むこと」(「PRESIDENT」2017年10月2日号)。なお、渋滞時は追い越し車線に移動する車が増えるため、全体の平均速度は、わずかに走行車線の方が速くなるそうだ▼周囲に配慮し、ゆとりを持った安全運転が、そのまま渋滞の解消や最短時間での到着にもつながる。まさに「急がば回れ」であろう。御書に「前前の用心」(1192ページ)と。無事故をしっかりと祈り、気持ちと時間に余裕を持って、有意義な友好期間にしたい。(道)