伝統の「学光祭」は、私にとっても毎夏の心躍るハイライトです。
皆さん方一人一人が、どれほど尊き向学と努力の汗を流して、ここに集いあわれたか。そして、どれほど大きな希望と誇りに胸を張って、ここから再び打って出ていかれるか。私はいつも感激と感謝、敬愛と祈りを込めて、全てを見守っております。
今回の学光祭のテーマは、「さあ、挑戦だ! 学びあおう! 人間教育の勝利者へ」と掲げられました。簡潔でありながら、大事なポイントが光っています。今日は、このテーマに即して、エールを送りたい。
まず「挑戦」の勇気です。わが学光の友に漲る不屈の「挑戦」の息吹が私は大好きです。
今年3月に、晴れて卒業した熊本の看護師の女性の方からも、見事な挑戦の足跡を伺いました。お母さまの勧めもあって、わが創大通教に編入学を決意した矢先に、病気を患い、手術のため入学式には出席できませんでした。さらに入院中に、一昨年4月の熊本地震が発生したのです。しかし、相次ぐ試練にも挫けることなく、リポートの作成や試験に挑戦を続けました。その支えとなったのは、スクーリングで出会う学友たちの友情であったといいます。「一人じゃない」と踏ん張って、卒業を勝ち取り、さらには、看護学校の専任教員の採用も勝ち取られ、「創価教育の体現者に」と活躍してくれております。
創価教育の父・牧口常三郎先生は、“象牙の塔に閉じこもるのではなくして、生活に根ざした生きた学問を”と呼び掛けておられました。この精神を体現しゆく学光の皆さんの勇敢な挑戦こそが、生きた智慧を渇仰する現代社会のあらゆる局面で新たな価値創造の光を放っていくことを、私は確信してやまないのであります。
次に申し上げたいのは「学びあう喜び」です。
私はアメリカの大教育哲学者デューイ博士を巡るてい談で通信教育の意義を語り合った折、確認したことがあります。それは互いに学びあい、励ましあい、ともに生命の可能性を開花させていくところに、尽きせぬ喜びがあり、そして、そこにこそ活力と創造性溢れる安定した平和な社会が開かれていくことであります。まさしく、この学びあう喜びのスクラムを、皆さんは、行くところ、向かうところ、伸びやかに広げていっていただきたいのであります。
最後は、「より良き世界へ奇跡を起こしゆく人間教育の勝利者たれ!」とエールを送ります。
現在、東京富士美術館は、「長くつ下のピッピの世界展」を開催しています。その著者でスウェーデンの世界的な児童文学作家であるリンドグレーンさんは語られていました。「私は奇跡を起こすことのできる読者のために書きたいのです」――と。彼女は、子どもたちは、読書をすることによって、いつか世界を変える奇跡の力を育んでいくと信じていたのです。
私は、人間教育もまた、一人一人の生命から、奇跡の力を引き出すことができると信ずる一人です。どうか、一日また一日、「学の光」を生き生きと放ちながら、どんな小さなことでもいい、我らの世界をよりよく変えていく奇跡を起こしていってください。そして、一人ももれなく誉れ高き人間教育の勝利者として、使命と栄光の人生を断固として飾っていっていただきたいのであります。
わが信頼してやまぬ学光の盟友、万歳! どうか、お体を大切に! ますますお元気で! 朗らかに!(大拍手)
創大通教 学光祭への池田先生のメッセージ 2018年8月23日 勇敢な挑戦で新たな価値創造の光を
勇敢な挑戦で新たな価値創造の光を