“何としても伝えなければならない真実がある”という思いだったのだろう。スティーブン・スピルバーグ監督は他作品を先延ばしにして、映画「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」を製作した▼ワシントン・ポスト紙が社の存亡を懸け、ベトナム戦争について国民を欺いた権力に抗した実話を映画化したもの。日本でも今春公開された。映画の中で女性社主が、前社主でもある亡き夫の言葉を語る。「新聞記事について、夫はこう言った。“歴史書の最初の草稿だ”と」▼本紙を手に取り、改めて思う。随所に、池田先生の力強くも温かな励ましの言葉、全世界の同志が成し遂げた宿命転換のドラマや奮闘の模様が……。まさに毎号の紙面は「広布史」という民衆勝利の歴史書の草稿といえよう▼あす8月24日は、聖教新聞創刊原点の日。1950年のこの日、池田先生が恩師・戸田城聖先生と本紙創刊の構想を語り合ったことを淵源としている▼池田先生は語った。「『真実』は『真実の人』でなければ書けない。『正義』は『正義の人』でなければ伝えきれない。人を離れて文はなく、歴史もないからだ」と。最も“真実”にして“正義”の師弟によって、本紙は創刊された。その誉れの原点を胸に、偉大な言論闘争に続きたい。(城)