名字の言

〈名字の言〉 2017年2月25日

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 球春到来。プロ野球のオープン戦がきょうから始まる。各チームとも、レギュラー陣の活躍とともに、新戦力の台頭に期待が集まる▼プロ球団に選ばれた選手たちだ。入団当初の実力差は紙一重。では、何によって差が生じるのか。監督時代、名将といわれた解説者の野村克也氏によると、その決め手は「感性」という。感じる力が優れている選手は、相手の動き、試合の流れなど、わずかな変化でも気付き、対応する。修正能力にたけ、同じ失敗を繰り返さない。だから伸びる▼この「感性」をはかるのに、実は、氏が最も重視したのは「親を大事にしているかどうか」だった。恩人への感謝。それこそが「感じる心の根っこ」であると(『師弟』講談社、共著)▼御書に「知恩をもて最とし報恩をもて前とす」(491ページ)と。感謝の人は強い。“今の自分があるのは誰のおかげか”。人生の師、肉親、同志……。祈り、励まし、支えてくれた存在を強く思えば、不安や孤独は消える。勇気が湧き上がる。絶対に負けない▼モバイルSTBで、東北楽天の新人・池田隆英投手の一家の番組を視聴し、胸が熱くなった。映し出された投手愛用のグラブに、「親孝行」の文字の刺しゅうが。この「感謝の心」で戦う青年の未来が楽しみだ。(誠)