名字の言

〈名字の言〉 2018年9月13日  西日本豪雨から2カ月余りがたった。

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 西日本豪雨から2カ月余りがたった。甚大な被害があった岡山県倉敷市の真備町では、路肩などに積み上げられた災害ごみの撤去が進み、以前の街並みに戻りつつある。一方で、窓や戸が壊れ、床が抜けるなど当時のままの家も。被災した方々の安穏を祈らずにいられない▼真備本部のある地区が2日、被災後初となる座談会を行った。「久しぶり!」「また会えて良かった」――同志が会場に姿を見せるたび、歓声が上がる。この日は21人が集まった▼思い出の品が全て水に漬かったと悔しそうに語る婦人部員。自宅が全壊した壮年部員は「いつか真備に戻りたい」と声を振り絞るように。家の修復や慣れない土地での避難生活など、苦労や心配は尽きない▼思わず口にした思いにも皆がうなずきつつ聞いてくれる。“そうだね”“私も同じだよ”と寄り添う声があちこちから。疲れのにじんだ話し手の表情が次第に和らいでいく。最後に地区部長が結んだ。「復興のその日まで、この集いは続けます。少しずつ、一緒に進みましょう」▼誰しも、一人では抱え切れない悩みがある。そんな時、「共に」「励まし合う」同志の存在は、大きな支えとなるに違いない。被災地の一日も早い復興を祈りつつ、私たちも友の元へ足を運び、励ましを送ろう。(汰)