音楽隊・しなの合唱団による「希望の絆」コンサートが先日、宮城県内5カ所で開かれた。今公演で、同合唱団が2014年から被災地で行ってきたコンサートは、通算100回を超えた▼仮設住宅や復興住宅の集会所など、被災者の元に足を運び、“顔の見える距離”で歌った。家族や友人、住居等を失った友を前に“自分たちに何ができるのか”と悩んでは、“この瞬間だけでも楽しんでほしい”と工夫を重ねた一回一回のコンサート。一つとして同じものはない▼昭和歌謡やアニメソングなどのレパートリーを増やし、新たな試みとして振り付けや仮装も加えた。聴衆からの反響は大きい。「歌声は今も耳に残っています」「皆さんの真心に涙が出ました」「やっぱし音楽っていいなあ。明日からまた、がんばっぺ!」▼励ましているつもりが、いつも自分たちが励まされると、団員の一人が語っていた。歌を聴いた喜びや感動は、歌った人にも、こだまのように返ってくる。音楽の力であり、励ましの力であろう▼御書に「言と云うは心の思いを響かして声を顕す」(563ページ)と。思いを込めた声や言葉は、友の胸に新たな響きを広げ、社会を潤していく。合唱団の100回の節目に、創価の文化運動の意義をかみ締める。(湧)