名字の言

〈名字の言〉 2018年6月15日  “人生100年時代”の到来が話題だ。定年後、30年以上にもなる時間をいかに健康を保ち、充実させるか。

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 “人生100年時代”の到来が話題だ。定年後、30年以上にもなる時間をいかに健康を保ち、充実させるか。シニア世代の生き方が問われている▼本紙に登場した『世界一孤独な日本のオジサン』(角川新書)の著者・岡本純子さんによると、近年、米国で発表された「孤独」の健康への悪影響は、「たばこ1日15本分」「アルコール依存症に匹敵」「運動しないより悪い」「肥満の2倍悪い」など衝撃的なものだった。“孤独は万病のもと”といえよう▼孤独を防ぐには、趣味や運動など「何らかのコミュニティーに参加すること」と岡本さんは強調する。1人暮らしと孤独はイコールではない。特に定年後は、職場に代わる「居場所」をつくること。さらに会話のポイントは、過去の勤務先や肩書などを言わず、どんな話題にも共感を示し、相手を褒めること。一人の人間として「相手に何ができるか」を態度で示すことが重要だという▼私たちの訪問・激励の運動も、同志とつながり、悩みに寄り添う実践である。そこには刺激や学びがあり、かえって自分の方が元気になることも多い▼御書に「人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし」(1598ページ)と。他者とつながり、献身する振る舞いに、健康長寿の鍵はある。(朋)