名字の言

〈名字の言〉 2018年11月14日  100年前、一つの新語が生まれた。「次ぎから次ぎの駅へと、ぶっ通し又は交替で競争する」。こう説明された語が「駅伝」である

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100年前、一つの新語が生まれた。「次ぎから次ぎの駅へと、ぶっ通し又は交替で競争する」。こう説明された語が「駅伝」である(『現代新語辞典』)▼世界で初めて開催されたのは1917年。京都・東京間の508キロ、23区間を競った。この駅伝が“101歳”を迎えた今年、関西創価高校が快挙を遂げた。2位と4秒差の接戦を制し、大阪で初優勝。全国大会で師走の京都・都大路を駆ける▼駅伝走者の意識は独特だ。たとえ1位で走っていても、後の走者が余裕をもてるよう、少しでも2位と差を広げようと走る。逆に、自分の区間では勝てなくても、後続が逆転してくれることを信じ、これ以上遅れまいと食らいつく。仲間を思い、「より速く」と終盤まで挑み続ける▼「運動会を見るとき、いつもこう思う」と文豪・魯迅は言った。「落伍してもなおゴールまで駈けなければやまぬ競技者と、そのような競技者を見ても粛然として笑わぬ観客と、これこそはまさに中国の将来の背骨なのだ」(相浦杲訳『魯迅全集4』学習研究社)。かつて関西創価学園で、創立者の池田先生が紹介した言葉だ▼練習してきた自分を信じ、仲間を信じて、学園生には、全国大会でも堂々と走り抜いてほしい。最後の最後まで、皆がエールを送っている。(鉄)