池田先生のメッセージ

第39回「全国人間教育実践報告大会」への池田先生のメッセージ 2018年5月30日

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若き生命を支え育てる心の「ふるさと」の存在に
大会では小学校教諭でソプラノ歌手の宮碕正枝さん、ピアニストの松井静江さんがイタリア民謡「サンタルチア」などを披露

 天も光り、地も光り、人の心も輝き光る、大好きな岐阜で、全国人間教育実践報告大会の開催、誠におめでとうございます! 尊き労苦の結晶たる実践記録を発表される先生方、また役員の先生方の献身も本当にありがとうございます。
 私が初めて岐阜を訪れてより65星霜になります。以来、20回に及ぶ訪問では、いつも温かく誠実な友人たちの笑顔と、その心を映す美しい花々が迎えてくれました。とりわけ、1972年の春と翌73年の初夏、岐阜県民体育館(当時)での会合の折に、県花のレンゲ草と、季節の花のアジサイが会場を彩ってくれた光景は、鮮やかに蘇ります。
 実は、この72年と73年は、私が大歴史学者トインビー博士と2年越しの対談を重ねていた時でありました。博士と21世紀の教育を展望しつつ、「自然と共存しながら、人間相互の信頼関係を築いていくこと」、また「郷土愛を土台として世界全体を『わが祖国』とする人類愛、世界愛を広げていくこと」等についても深く一致を見たのです。
 翻って、岐阜の教育界で掲げられているビジョンには、目指すべき人間像として、「高い志とグローバルな視野をもって夢に挑戦し」「地域社会の一員として考え行動できる『地域社会人』」であると高らかに謳われています。「地域社会人」とは、何と素晴らしい表現でしょうか。トインビー博士も理想とした人材像が、ここには凝縮されております。
 それは、わが創価教育の父・牧口常三郎先生が提唱した、郷土に根を張りつつ、グローバルな視点を併せ持って、地域社会と地球社会に貢献しゆく「世界市民教育」とも響き合います。牧口先生は、日本の偏狭な軍国主義教育の暴走に対峙し、「子どもたちの幸福」を最大の目的に掲げ、一人一人の価値創造の力を引き出すことに主眼を置いたのです。
 この「地域社会人」即「世界市民」と育ちゆく若き生命には、心の支えとなり、常に立ち返ることのできる、かけがえのない「ふるさと」の存在があると、私は思ってきた一人です。それこそ、忘れ得ぬ学校や地域の先生方との出会いではないでしょうか。
 岐阜ゆかりの文豪・島崎藤村翁も、「青年時代に受けた感化や影響には、殆んど、人の一生を支配する力がある」と語り、「よい教師に対するほがらかな心持は永い事忘れられません」と追憶しておりました(『藤村全集第9巻』筑摩書房、現代表記に改めた)。今日の実践記録に象徴されるように、まさしく、よき教育者こそ若人の命に刻まれ、永遠に慕われ、感謝されゆく「ふるさと」なのであります。
 岐阜の県花レンゲ草の花言葉は、「私は幸福」「あなたは幸福」といわれます。教育こそ、「自他共の幸福」を実現しゆく、最も尊き聖業にほかなりません。私たちは、ここ麗しき日本の故郷・岐阜から、人間教育の滔々たる大河を日本へ世界へ未来へ流れ通わせ、「希望の花」「人材の花」「平和の花」を、馥郁と咲き薫らせていこうではありませんか!
 結びに、本日、ご参加くださった先生方のご健康とご多幸を、心よりお祈り申し上げ、私のメッセージとさせていただきます。陰徳光る教育者の皆様に、無量無辺の陽報あれ!(大拍手)