我らの地域の勝ち光る未来図を
池田大作
恩師の事業が最も苦境にあった時、師弟して「顕仏未来記」を拝読した。御本仏が命にも及ぶ佐渡流罪の渦中に「仏法西還」「閻浮提広布」を宣言された未来記を、学会はいかなる難も越え、断じて実現するのだと、戸田先生は巌の如く言われた。
とともに本抄の結びで、日蓮大聖人は釈尊・天台・伝教を相承する御自身を「三国四師」とされつつも、あえて日本ではなく生誕の地を挙げ、「安州の日蓮」と称されている。
このお心を拝し、我らも宿縁の故郷や地域を大切にしよう。足もとの国土を慈しみ、身近な一人一人と仏縁を結んでこそ、世界への慈折広布が開かれると、師弟で語り合ったのだ。
「なぜ、今ここにいるのか?」この問いに、誓願という次元から最も本源的な答えを出せるのが、信心である。
師の写真を胸に抱いた私の世界旅は、アメリカやブラジルへ移住して慣れぬ土地で奮闘する友との対話から出発した。
言うに言われぬ開拓の苦労をねぎらい、私は申し上げた。
皆、たまたま、やって来たのではありません。地涌の菩薩として、この国の人々を幸せにし、ここに永遠の楽土を築くために、大聖人に召し出された方々なんです、と。
「今ここが御本仏より任された天地なり」と一念を定めて妙法に生き抜く時、その場所が人間革命の大舞台と変わる。三世十方の仏菩薩にも勝る力が湧現し、欄室の友情も広がる。国土の宿命まで転換しゆく蘇生のドラマが始まるのだ。
御聖訓には、「一花を見て春を推せよ」と仰せである。今、いずこにも咲き誇る、友を思いやり地域に尽くす創価の人華こそ、遠大な地球民族の平和の春を呼ぶ希望である。
新たな一年、元初からの宝友と共に、わが地域の広宣流布、立正安国の勝ち光る未来図を心広々と描きながら、「私たちを見よ」と、幸福勝利の花園を薫らせようではないか!
誓い立つ
常寂光土は
ここなりと
勝ちて描けや
黄金の未来図