御聖訓の「はたらかさず・つくろわず・もとの儘」(御書759ページ)のごとく純粋な信心を貫く多宝会の女性がいる。その人の振る舞いに毎月の座談会で触れ、心が洗われる1年だった▼彼女は思わぬ悩みに直面した近況を友に報告しては「いやあ、弱りました」とこぼす。だが少しも困っているようには見えない。「悩みが大きい分、題目があがります」と逆境のわが身を全く悲観しない。落胆どころか「変毒為薬の仏法ですから、これからどんなことになるのか、今からドキドキです」と頰を紅潮させるのだ▼こうなると周囲も気になって仕方がない。同志は日々の勤行で彼女の勝利を祈り、エールを送った。そして迎えた翌月の座談会で、彼女が「こんな功徳を頂きました!」と意気軒高に体験発表するのがお決まりだった▼御書に「年は若返り、福は重なるであろう」(1135ページ、通解)とある。池田先生は語る。「若さとは、『動く』ことである。知恵を振り絞り、心を働かせ、何かを為すことだ。どんな境遇にあっても、何とかしようという挑戦の心を忘れないことだ。その人の生命は若い」と▼数え年では毎年正月、年齢に1歳を加える。それでも心はますます若く、信心で前進を期す新年を迎えたい。(城)