名字の言

〈名字の言〉 2018年9月5日  自動車学校と聞くと、教官の厳しい指導を思い出す人がいるかもしれない。

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自動車学校と聞くと、教官の厳しい指導を思い出す人がいるかもしれない。だが、三重県には「生徒をほめちぎる」ことで有名な学校がある▼5年前に「ほめる教習」を始めた時は「甘い教え方では安全が守れない」等と批判を受けた。しかし、やがて①生徒数の増加②運転免許の合格率向上③卒業生の事故率半減など、目覚ましい成果が表れた▼ほめることには、どんな意味があるのか。人間には「承認欲求」があり、それが満たされると物事への意欲や理解の度合いが上がって、成長への好循環が生まれる。特に若者はそれが顕著という(『「ほめちぎる教習所」のやる気の育て方』加藤光一著、KADOKAWA)▼もちろん、「ほめる」ことは単なるテクニックではない。根底に求められるのは、相手の持つ可能性への信頼であろう。また、話をよく聞くなど、相手のいい部分を知るための努力も必要だ。育てる側の意識改革が、人を伸ばす鍵といえる▼御書には法華経について「讃むる言こそ多く候へ」(1242ページ)と。妙法の偉大さ、生命の持つ無限の可能性をたたえた経典が法華経だ。その哲理を広めゆく私たちもまた「ほめる人」でありたい。人間の可能性を信じ抜き、たたえ、開いていく――それが広宣流布の運動である。(駿)