名字の言

〈名字の言〉 2018年4月24日  関東以西は新緑の季節を迎えたが、東北では、いよいよ桜の本番だ。

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関東以西は新緑の季節を迎えたが、東北では、いよいよ桜の本番だ。岩手県盛岡市にある国指定天然記念物「石割桜」は、周囲21メートルもの巨大な岩石の割れ目から生え、石に倍する長さの堂々たる枝ぶりで知られる。先週末、満開となり、地元の方々をはじめ、訪れる観光客を楽しませていた▼樹齢は推定で三百数十年。今も成長し続けているという。“生きるためなら、岩をも砕いてみせる”という強靱な生命力が、見る人の心を打つ▼ある会合で、原発事故の後、福島県外に避難した母子が体験発表した。特別支援学級に通う息子を育てながら、必死に働く母が余病を併発。生きる気力さえ失いかけた時、息子が力強く言った。「僕はお母さんと、ここで頑張って生きていく!」▼信心で再起を誓った母は気力を取り戻し、無冠の友(本紙配達員)に。避難先で弘教も実らせた。現在20歳の息子は立派な社会人となり、男子部でも活躍する。親子を励まし続けてきた友は、勝利劇を心からたたえた▼かの桜は昔、火事で焼失しそうになったことがある。その危機から救った庭師は地元紙に語った。「石割桜が助かって、私はうれしくてたまらんでござんす」。桜と庭師は支え合って生きてきたのだろう。学会の同志の絆も同じである。(代)