【御書本文】
涅槃経に転重軽受と申す法門あり、先業の重き今生につきずして未来に地獄の苦を受くべきが今生にかかる重苦に値い候へば地獄の苦みぱつときへて死に候へば人天三乗一乗の益をうる事の候(転重軽受法門p1000 n1356)
【通解】
涅槃経に転重軽受という法門がある。過去世の宿業が重く、現世に一生尽きないので、未来世に地獄の苦しみを受けるところが、現世の一生にこのような重い苦しみにあうと、地獄の苦みがさっと消えて、死ぬならば人・天や声聞・縁覚・菩薩の三乗あるいは一仏乗を得ることができるのである。
【先生の指導から】
それゆえ、私たちは、一人一人の宿業の違いはあっても、信心を根本に広宣流布に邁進しているとき、すべてが転重軽受、宿命転換となっているのです。「地獄の苦みぱつときへて」と仰せです。妙法を受持した以上、もはや罪障も罪障ではない。
御本尊を受持すれば、仏の因行も果徳も、すべて私たちの身のうえに得ることができる。過去の罪障は、すべて仏界の大境涯を開きゆくカギとなる。煩悩は即菩提であり、苦難は即安楽と開けるのです。