【御書本文】
法華経をひろむる者は日本国の一切衆生の父母なり章安大師云く「彼が為に悪を除くは即ち是れ彼が親なり」等云云、されば日蓮は当帝の父母念仏者禅衆真言師等が師範なり又主君なり(撰時抄p265)
【通解】
法華経をひろめる者は、日本国の一切衆生の父母である。章安大師は「相手のために悪を除いてあげることは、相手にとって親である」と言っている。そうであれば、日蓮は日本の帝王の父母であり、念仏者、禅衆、真言師らの師範であり、また主君である。
【先生の指導から】
恩師戸田先生と私は、よく、フランスの思想家ルソーの教育論をめぐって語りあった。
そのルソーの言葉に、「一つの悪徳を芽生えるに任せておけば、続いて千の悪徳が生じるでしょう」(『新エロイーズ』安士正夫訳、岩波文庫)とある。
だからこそ、悪徳の芽は、厳格に、迅速に摘まねばならない。だからこそ青年は、「正義と真実」の言論をもって、「邪悪と虚偽」を、峻厳に打ち破っていかねばならない。