名字の言

〈名字の言〉 2018年11月3日  各地で好評開催中の「わたしと宇宙展」では本物の「月の石」が特別出品されている(広島展は4日まで)。

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各地で好評開催中の「わたしと宇宙展」では本物の「月の石」が特別出品されている(広島展は4日まで)。アポロ15号が月から持ち帰ったものだ▼1969年、初めて月に到達したアポロ11号の乗組員は3人。アームストロング船長とオルドリン飛行士が月面に降り立つ瞬間を、世界中が見つめた。この時、母船に残ったのがコリンズ飛行士である▼彼の任務はアポロ11号を無事に帰還させること。月面活動の映像も見ることができなかった。月の裏側に入り地球との通信が途絶えると、独力で母船の軌道を修正した。そして帰還の前日、彼は管制センターに感謝を伝えた。“第一に、全ての機械部品を工場で作ってくれた労働者諸君のたまものです”(『大いなる一歩 アポロ11号全記録』早川書房)▼人は“華やかな偉業”に目を奪われがちだが、それは常に、多くの名もない人々に支えられているもの。そうした“陰の力”への感謝を忘れて新たな発展はない。何より周囲の支えを忘れない人の心は広く、豊かだ▼学会もまた、名もない庶民が広布のロマンに燃えて、師と築いた民衆の城。だが陰で尽くした人の気持ちは、陰に徹しなければ分からない。先人への感謝を胸に、誰が見ていなくとも、自ら決めた使命の道を誇り高く進みたい。(子)