「新国立競技場」のオープニングイベントが、きょう行われる。東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる同競技場で、これから数多くのドラマが生まれるに違いない▼設計を担当したのは隈研吾氏。独創的でありながら、社会に受け入れられる建築を実現するため、氏が提唱する建築観がある。それは「負ける建築」。すなわち、“控えめな建築”という趣旨である▼「建築家は謙虚であれ」と呼び掛ける氏。人だけでなく建物もまた、目立とうとするより、環境と調和する建物をと訴える。新国立競技場の設計も、緑豊かな明治神宮外苑の景観と、いかに調和させるかという視点から考えられた(『負ける建築』岩波書店)▼池田先生は25年前、建築に造詣の深い英国のチャールズ皇太子と「建築の思想」について語り合った。先生は「風景を尊重」「子供たちの遊び場など、人間が交流できる空間」「精神を高揚させてくれる建築」など、皇太子が提唱する建築に関する「十の原則」に言及。その根底に「人間を尊重する」精神が脈動していると述べた▼創価の運動の目的は、「人間の尊重」という哲理を柱として、社会の繁栄と、平和を実現することにある。その出発点は常に自身の“建設”である「私の人間革命」にある。(澪)