名字の言

〈名字の言〉 2018年9月16日  昨今、パンケーキがブームという。

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 昨今、パンケーキがブームという。人気店ともなると、味や食感はもちろん、“インスタ映え”などが意識され、見た目も重要な要素になった。客のニーズは時代とともに変わっていく▼パンケーキが評判のチェーン店「高倉町珈琲」。創業者の横川竟さんは、かつて起業した外食店を1000店舗以上に拡大し、業界をリードしてきた伝説的人物である。その横川さんが新たに“理想の飲食店”を目指して、5年前に立ち上げたのが同店だ▼どうすれば繁盛する店がつくれるのか。最大のポイントは「クレーム対応」と横川さんが本紙で語っていた。暑いと言われれば涼しく、遅いと言われれば早く、ぬるいと言われれば熱くする。「“2年間、寄せられたクレーム全てを解決していけば、地域1番店になる”というのが私の持論」と(8月25日付)。いわば客の厳しい意見を“宝”と捉え、大切に向き合った▼作家・吉川英治の言葉に「我以外皆我師」と。誰しも自分にとって“耳の痛い話”は聞きたくないもの。だが、さらなる成長を目指し、全てから学ぼうと心を開けば、どこにでもチャンスはあるはずだ▼自分自身の小さなこだわりを捨て、周囲の声に耳を傾ける。マイナスをプラスに転換し、新しい価値を生み出すヒントはそこにある。(朋)