名字の言

〈名字の言〉 2018年10月22日  フィギュアスケートで世界殿堂入りした日本人といえば、アルベールビル五輪銀メダリストの伊藤みどりさん、ト

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フィギュアスケートで世界殿堂入りした日本人といえば、アルベールビル五輪銀メダリストの伊藤みどりさん、トリノ五輪金メダリストの荒川静香さん、そして指導者の佐藤信夫さんだ▼選手時代の自身を「誰よりも不器用」と語る佐藤さん。人が十数分でできることにも数日かかった。あまりの難しさに音を上げそうになっても、コーチの山下艶子氏が絶対に諦めないので、やめるわけにいかない。リンク脇に立ち続ける山下さんの辛抱強さは「恐ろしいなと思うほど」(佐藤さん)だった▼佐藤さんは、山下さんが振り付けた一つのプログラムを、8年間滑り続けた。結果、日本人初の2回転ルッツ、3回転サルコウを成功させ、全日本選手権で10連覇を達成。引退後は指導者として安藤美姫選手、浅田真央選手らを育てた。“諦めなければ必ずできる”と伝えながら(『諦めない力』扶桑社)▼人生の勝利には、本人の努力は欠かせない。ただ、悩んだ時や壁にぶつかった時、自分の勝利を信じ、励ましてくれる存在がどれほど大きな力になることか▼池田先生は若き友に贈った。「たとえ諸君が、自分で自分をだめだと思っても、私はそうは思わない。全員が使命の人であることを疑わない」。人材育成とは、相手を信じ抜く挑戦である。(誼)