「日本の恐竜研究史における最大の発見だ」(北海道大学総合博物館・小林快次准教授)――研究者らを驚嘆させるニュースが流れた▼北海道むかわ町で4日、8メートルを超える恐竜の骨格が公開。7200万年前の地層から発掘された化石で、全身骨格では国内最大だ。同町を震度6強の地震が襲ったのは、この2日後。化石は緩衝材に包まれ無事だったが、待望の一般公開は延期の予定だ▼同町穂別に、恐竜をモチーフにしたオリジナル商品が人気の老舗菓子店がある。店主の壮年部員は40年前、火事で家も店も工場も、そしてまな娘も失った。悲嘆に暮れる壮年に同志は言った。「信心がある限り、あなたの人生に負けはない」。なぐさめではなく、強く生きようという“気迫”あふれる激励だった▼「娘が喜んでくれる菓子を作ろう」と夫婦で挑戦を開始。そして生まれた菓子が、全国推奨観光土産品審査会で優秀賞に輝くヒット商品に。今、支部長を務める長男が店を支え、明年で創業50年。地震の被害も大きいが、「支えてくれた皆さんに応えるため」と、感謝を胸に営業を再開した▼恐竜は隕石などの自然災害で絶滅したという。だが、人間には知恵も勇気もある。何より我らには、宿命を使命に変える信心がある。人生に負けはない。(鉄)