1カ月間の総観客数は336万人、テレビの延べ視聴者数は300億人(2006年大会推定)。世界最大のスポーツの祭典が、いよいよ14日に開幕する。サッカー「FIFAワールドカップ」だ▼世界中の少年少女が憧れる夢の舞台。その夢をかなえる後押しをと、北海道で四つのサッカー教室を営む男子部員がいる。ブラジルでプロ選手として活躍した経験を生かし、Jリーグ・ユースの選手やユース日本代表も輩出してきた▼彼がブラジルで挫折していた時、SGIの友が一つの言葉を教えてくれた。「人は皆、人生という原野をゆく開拓者です」。1960年10月、池田先生が同国を初訪問した際に語った言葉だ▼当時の会員は少なく、ほとんどが日系移住者。慣れない土地で、重労働、孤独感、貧困、日系人への差別など、環境は、まさに艱難辛苦の「原野」であった。だが、そこから逃げることなく、開拓に挑み続けた人々がいたからこそ、「世界広布の王者」と呼ばれる同国SGIの今がある▼一つのスーパープレーも、地味な反復練習を、嫌というほど積み重ねた結果。「わが原野」を耕し抜いてきた証しともいえる。人生も広布も、この方程式は変わらない。誰もが、感動を与える名選手になれる。努力さえあれば。(鉄)