名字の言

〈名字の言〉 2018年5月3日  学会の総本部から信濃町駅を隔てた向こうに、神宮の森が広がる。

学会の総本部から信濃町駅を隔てた向こうに、神宮の森が広がる。東京五輪の主会場となる新国立競技場の骨組みが立ち、輪郭が見えてきた。若人がしのぎを削り、名勝負を生んだ地に、新たな歴史が刻まれる日が待ち遠しい▼五輪を意識してか、明年のNHK大河ドラマでは、日本初の五輪選手・金栗四三が描かれる。マラソンで3度、五輪に出場し、箱根駅伝の創設にも尽力した。その才能は東京高等師範学校在学中、校長の嘉納治五郎に見いだされた▼嘉納は五輪に挑む金栗に語った。「先覚者たちの苦心は、昔も今も変りはない。その苦心があって、やがては花の咲く未来をもつ」「日本スポーツ界のために『黎明の鐘』となれ」と。金栗は師の思いを胸に努力を重ね、日本スポーツ界の夜明けを開いた(佐山和夫著『金栗四三』潮出版社)▼水泳、体操、卓球など各種目で今、五輪を目指す若い力の台頭が著しい。だが隆盛の礎には、必ず先駆者の血のにじむような努力がある▼駅の向こうの新スタジアムを見つめて思う。青年が躍動する世界広布新時代も、その源には、“自分が花を咲かせなくとも、妙法という平和の種をまこう”と、師と共に走った無名の先達がいたことを――。感謝と決意で見上げる5月3日の空である。(差)

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