ベートーベンの「第九」が列島の各地で響いている。「いく百万の人々よ、互いに抱き合おう!」(シラー原詩、大木正純訳)との“歓喜の歌”の大合唱は圧巻だ▼人間が連帯し、心を結べば、どれほど偉大な力を発揮できるか――聴くほどに、歌うほどに、楽聖の魂の叫びが伝わってくる▼鹿児島県の桜島の友が“歓喜の行進”を続けている。1958年、同島を訪れた池田先生が「幸福の島に」と弘教の灯をともし、初めて学会員が誕生した。周囲の無理解に負けず、同志は懸命に地域に尽くした。「日本一幸せな島にして、先生にお応えしよう」。それが皆の合言葉だった▼全島(約1800世帯)へ対話を広げ、2割以上が本紙購読を経験。学会主催の展示には島民の3割(約1600人)を招待した。同志が集えば笑いが絶えない。多宝の友が「皆で励まし合えば30歳は若返る!」と語れば、大病を克服した友は「立ち止まらず、祈って動いたら病気が止まった!」と。一人一人が地域の要の存在だ▼同島のみならず、今、創価の“歓喜の行進”は世界中に広がった。「第九」の歌詞にこうある。「走れ、兄弟たちよ、なんじの道を/英雄が勝利に赴くように、喜ばしく」(同訳)。さあ、新たな決意の出発を。「皆が前進、皆が人材」だ。(誠)