社説

〈社説〉 本紙連載への反響 2018年7月13日 誰もが希望を信じられる社会へ

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誰もが希望を信じられる社会へ

 本紙連載中の「グローバルウオッチ――世界を見つめて」。本年は「共生の未来へ」をテーマに、創価の励まし運動の価値に迫っている。
グローバル化し、流動化する現代にあっては、異なる文化・言語・習慣をもった隣人と生きる可能性が高まる。だが、そうした差異を受け入れて「共に生きる」すべを、誰もが身に付けているわけではない。孤立・分断を招き、時に衝突に発展しかねない。
しかし、世界各地の同志を取材する中で、いずこの国・地域においても、その社会の課題に“良き市民”として取り組むメンバーの姿が印象的であった。
例えば、世界で初めて、さまざまな文化を平等に尊重する「多文化主義」政策を導入したカナダ。中でも、東部のケベック州では、フランス系が人口の7割を占め、フランス語が唯一の公用語ながら100以上の国から移民を受け入れている。
同州で支部長を務める壮年部員は、LGBT(性的少数者)差別の解消を図る団体の副代表として活動していた。ある時、知人から「なぜ、そんな行動を続けていられるんだい?」と聞かれた。自然と口にしていたのは、自分を迫害する人さえも礼拝し、生命への根本的な尊敬を示した不軽菩薩の実践だった。振り返ると、自他共の人生に希望を見いだす生き方が、人と人を結び、社会を蘇生させる一助となっていることに気付いた。
同州では、「インターカルチュラリズム(間文化主義)」という共生の理念の発達が着目される。「間(インター)」という言葉の通り、異文化間の「交流」を重視し、摩擦を恐れずに「対話」を通して分断を乗り越えるもので、あるカナダの識者は「創価の教育運動は、文化と文化の『間』を結ぶ空間づくりを、生き方として体現できる人を生み出している」と期待する。
連載には、多くの声が寄せられている。
「友が抱える悩みに同苦し、うれしいことがあれば自分のこと以上に喜び合い、一つの同じ目標に向かって歩みを進めること。学会員である自身には半ば当たり前のように思えたこれら全てが、いかに共生社会に必要なファクターなのか」と福岡の女子部員は記している。
人は一人では生きられない。ゆえに自分だけの幸福も、他人だけの不幸もない。人を幸福にした分、自分も幸福になる。創価の励まし運動は、人間の真実に目覚め、誰もが希望を信じられる社会を築く聖業である。