来日中のSGIメンバーが7日、福岡を訪問。同日午前8時10分に県内の大雨特別警報が解除されたことを受け、安全が確認された6会館で午後、交流の集いが開かれた。参加者は冒頭、九州をはじめ被害に遭った地域に思いをはせ、厳粛に唱題を。犠牲になった全ての方々に追善の祈りをささげるとともに、一日も早い復旧・復興を祈念した。
海外の友との交流を最も楽しみにしてきたのは、世界広布の未来を担う“宝”の子どもたちであろう。
福岡平和会館を訪れたカナダ、オセアニアのメンバーを、少年少女部合唱団が元気な歌声で歓迎した。
合唱団のある女の子は、この日を目指し、母と共に勤行に挑戦。“SGIの皆さんとお友達になりたい”と、英語の勉強にもチャレンジしてきたという。子どもたちだけではない。全ての同志が自身の挑戦を貫いて、この日を迎えたのである。
SGIの友が日本語であいさつに立った。「九州の『先駆の魂』を、母国に持ち帰ろう――そう誓って訪日しました。ここで九州ゆかりの学会歌を歌い、届けます」
代表のメンバーが、「青年よ広布の山を登れ」を日本語で歌い始めた。日本の友も口ずさむ。目に涙を浮かべる壮年・婦人も。合唱が終わると、拍手がしばし鳴りやまない。
先駆とは「一人立つ精神」なり! 互いの心と心が通い合った。
筑豊文化会館に到着した香港の同志が感嘆の声を上げた。ササに、未来っ子たちの願いが記された色とりどりの短冊が、つるされていたからだ。
この日は七夕。香港の友も広東語で短冊に“願い”をつづっていく。「雨後見彩虹 祈願九州民衆幸福」(雨の後には、虹が見えます。九州の皆さんの幸福を祈ります)……。その数、20枚。“苦難の風雨を共に乗り越えよう”と励ましの絆を結ぶ思いで、短冊とササをひもで結んだ。
筑豊は、かつて炭鉱の町として栄えた地。体験発表に立った岩永善則さんは幼少の頃に炭鉱閉山によって父が失業した当時を述懐しつつ、一家で信心根本に経済苦を乗り越えた軌跡を語った。
集いの最後を飾ったのは「炭坑節」の総踊り。炭鉱労働者が労苦を吹き飛ばすために歌っていたという民謡である。
香港の同志も踊りだす。笑顔が広がり、心がつながる。日本の友の心に勇気の火がともった。
「どんな人生の荒波にも向かっていく力強さを表現したい」
この決意を託し、筑紫野平和会館に津軽三味線の音色を響かせたのは、入会2年の安部高広さん。実力派の奏者として全国各地を公演で飛び回る中、5月に弘教を果たした男子部大学校生である。
バチで弦をたたきつけるようにして紡ぎ出される三味線の響きに、イタリアの同志から「ブラボー!」との歓声が。同国も一昨年、大地震という災害に見舞われている。
日本の青年が伝えたいと願った「困難を乗り越える力強さ」を、SGIの同志も真っすぐに受け止めたに違いない。“真心には真心で。音楽には音楽で”と、イタリアの有名な民謡を披露する。
日本の友も、輪の中へ。両国の友が腕を組みながら踊り、歌う。そして会場に響く「ワン・ワールド・ウィズ・センセイ!」との歓呼。それは「何があっても、どこにいても、私たちの心は一つ! 先生と共に!」との宣言だった。
「オラ、アミーゴ!(やあ、友よ!)」――大歓声が、遠来の同志を包む。
博多平和会館を訪れた中米のパナマとドミニカ共和国のメンバーの胸には、笑顔で迎えてくれた日本の友の真情が、痛いほど伝わってきた。両国をはじめカリブ海周辺の諸国は頻繁にハリケーンに襲われる地域である。今回の日本の大雨も、人ごとには思えない。
「九州の皆さんの姿に、学会精神を感じました」と、SGIの友は語る。学会精神とは「不撓不屈の負けじ魂」であり、「支え合う心」といえよう。
少年少女部「正義の子合唱団」が「Be Brave! 獅子の心で」を歌い上げた。
〽どんな つらい事があっても 勝利を 信じて……
“その通りだ!”と言わんばかりに、SGIの同志もサルサダンスを披露する。大変な時だからこそ笑顔を、舞をとの思いを込めて。
私たちには共に進む「アミーゴ」がいる!――この確信が参加者の心にみなぎった。
筑後へ、オソオセヨ(ようこそ)!――韓国の一行は、九州広布源流の地・筑後の牧口久留米講堂へ。地元の未来部メンバーが花のレイを掛けて歓迎すると、韓国の友も御礼にと、ハイタッチや抱擁をしながら、出会いの感激を分かち合った。
我らの絆は嵐にも微動だにしない!――友誼の心に包まれた会合では、本木敏彦さんが池田先生との原点を胸に、経営者として4度の倒産の危機を乗り越えた信仰体験を披露。
韓国コーナーでは、金仁洙理事長が「今年は池田先生の韓国SGI本部初訪問20周年です。両国友好の宝の橋を、私たちの手で輝かせましょう」とアピール。続いて、圏女子部長の盧明柱さんが、アナウンサーになる夢を実現し、社会での実証を示そうと奮闘する様子を伝えると、惜しみない拍手が送られた。
終了後、バスに乗り込む韓国の友を日本の友が「誓いの青年よ」の演奏で歓送。「勇気をありがとう!」と互いに見えなくなるまで手を振り合っていた。
マレーシアとシンガポールのメンバーが、真っ先に伝えたことは「感謝」であった。
北九州の皆さんの題目に包まれて、憧れの天地を訪れることができました――と。
感謝の思いは、北九州文化会館に集った同志も同じであるに違いない。
そのあふれる胸のうちを、友は歓迎の踊りで表現した。
“北九州の夏”を伝えるメロディーに合わせて、青年部や婦人部が元気に舞う。
“北九州の庶民の底力を、どうか見てください”と訴えるように。
SGIの友も法被を身にまとい、体を揺らしてリズムを取りながら、真心に応えた。
さらにマレーシアの同志はマレー伝統の歌と踊りを披露し、シンガポールの友は、学会歌「今日も元気で」を歌い上げる。
ほかにも演奏あり、体験発表あり。参加者は握手を交わしながら「また会いましょう! 共に苦難を越え、幸福の実証を示して」と固く約し合った。