法悟空 内田健一郎 画 (6416)
山本伸一は、沖縄研修道場に集ったアジアの同志に、沖縄の同志に、そして、衛星中継で結ばれた日本の全同志に呼びかけた。
「わが創価家族は、『誠実』と『平等』と『信頼』のスクラムで、どこまでも進む。国境もない。民族の違いもない。なんの隔てもない――人間主義で結ばれた、これほど麗しい“地球家族”は、ほかに絶対にないと確信するものであります! 私どもは、第一級の国際人として、新しいルネサンス、新しい宗教改革の大舞台に出航していきたい」
ここで彼は、力を込めた。
「新時代の広宣流布もまた険路でありましょう。『賢明』にして『強気』でなければ、勝利と栄光は勝ち取れません。
仏法は勝負である。人生も勝負である。一切が勝負である。ゆえに勝たねばならない。勝たねば友を守れない。正義を守れない。
断じて皆を守り切る。幸福にしていく――そうした『強気』に徹した『勝利のリーダー』になっていただきたい!」
誓いの大拍手が轟いた。
伸一は、この沖縄訪問のあと、十年ぶりに大分県を訪れ、県総会で、学会歌の指揮を執った。あの第一次宗門事件で正信会僧による非道な学会攻撃に耐えながら、敢然と創価の正義を叫び抜いた大分の同志たちは、今回の第二次宗門事件では微動だにしなかった。
皆が、陰険な宗門僧の本質も、学会攻撃の卑劣な手口も、知り尽くしていたからだ。また、御書に照らして、“いよいよ第六天の魔王が競い起こったのだ! 負けてなるものか!”と、強く自覚していたのである。
同志は、第一次宗門事件を乗り越えたことによって、“断じて、創価学会と共に広宣流布に進むぞ!”との決意も、信心への確信も、一段と増していた。
御聖訓には、「かたうど(方人)よりも強敵が人をば・よくなしけるなり」(御書九一七ページ)と。難を呼び起こし、難と闘い、難を乗り越えることによって、大飛躍を遂げてきたのが、創価学会の誉れの歴史である。