名字の言

〈名字の言〉 2018年6月25日  最近、学生らの間で静かに流行している“戦い”がある。

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 最近、学生らの間で静かに流行している“戦い”がある。お薦めの本を紹介し合い、最も読みたいと思う本を投票で決める「ビブリオバトル(書評合戦)」だ▼ルールは簡単。“バトラー”と呼ばれる発表者が愛読書を持ち寄り、5分で書評をし、2、3分の質疑応答を行う。それらを聞いた聴衆が、一番読みたくなった本に投票し、勝者を決める▼「世界一、読書に取り組む中学校」を目標に掲げる関西創価中学校では、この催しを毎学期開催している。グループ予選、クラス予選、学年本選と進み、各学年の「チャンプ本」を決定。昨年、全国の代表27人が参加した「中学選抜ビブリオバトル東京大会」では、同校の生徒が優勝した▼学園が開校した50年前から、創立者の池田先生は折に触れ、読書教育の重要性を訴えてきた。先日、「活字文化振興への多大な貢献」をたたえ、北海道書店商業組合から先生に感謝状が贈られたが、その謝辞にも「『本を読む』『本を大切にする』ということは、まさしく人間の尊厳性を懸けた不撓不屈の戦い」とつづった▼若者の活字離れが叫ばれて久しい。だが、それは大人の決め付けかもしれない。本当に良質な活字は、一生涯の心の光となる。本紙もまた、その使命を果たせるよう努力し続けたい。(鉄)