らせん階段を上から見たら、上ってくる人は同じ円をグルグルと回っているように見える。それを横から見ると、一回りすれば、少し高い位置に移動している▼視線の向け方によって目に映るものは変わる。人間関係も、俯瞰するだけではなく、目線の高さを合わせるように寄り添うことで見えてくるものがある▼長年、未来部の体験主張大会を定期的に開いてきた地域がある。少年少女部から中・高等部までの代表が発表する。当初、「子どもたち自身が信仰体験を原稿にまとめ、語れるだろうか」という心配の声もあった▼だが、それは杞憂だった。未来部員は、乾いた土が勢いよく水を吸い込むように、純粋な心で信心の素晴らしさを体得し、自分の言葉で語っていた。“うちの子が悩みに負けず、これほど頑張っていたとは”と感動し、多くの大人が心洗われる思いだった。当時の未来部は今や立派な青年部員となり、人材の水かさは増している▼らせん階段は一気に上昇できない。一段一段上り、巡り回って少しずつ高みへと進む。人も、真っすぐな階段を駆け上がるように急速に伸びる時もあれば、らせん階段を上がるように、緩やかだが着実に成長している時もある。その歩みを見逃さず、たたえ励ませる視点を磨きたい。(城)