ある未来部員が中学校生活を終える際に語った言葉が、今も心に残る。「野球部員でした。一度もレギュラーになれませんでした。でも3年間、辞めませんでした」▼攻守に優れた後輩がレギュラーを獲得し、悔しく思ったこともある。それでも走り込みや素振りなど、地道な練習に明け暮れた。“起用する選手を決めるのは監督ですが、野球を頑張り続けるか、諦めるかを決めるのは自分です”と努力を重ねた。現在、彼は地域の青年部リーダーとして、後継の友を育む▼ある女子部員は体調不良による不安感に苦しめられ、12年間、自宅に引きこもった。それでも周囲は「あなたは大丈夫。乗り越えるまで待ってるよ」と励まし続けた▼その真心に応えたいと、彼女は唱題に挑戦。声に出して題目をあげられた自分に驚き、感動した。そこから徐々に回復し、気持ちも前向きに。そして一大決心をして、車の免許を取得。向かった場所は、同志が待つ学会の会館だった。その後、彼女は白蓮グループの一員に。今は華陽リーダーとして活躍する▼御聖訓に「強敵を伏して始て力士をしる」(御書957ページ)と。最も手ごわい相手は“自分自身”。「自分に勝つ」という真の勝利をつかんだ人は、他者の幸福に尽くす人へと成長する。(白)