法悟空 内田健一郎 画 (6357)
勤行会の参加者のなかに、日に焼けた顔をほころばせる、ドミニカ広布の尊き先駆者たちの姿があった。山本伸一は、笑顔を向けながら、語っていった。
「広宣流布の道を切り開いてこられた皆様が、御本尊の無量の功力を満身に受けつつ、朗らかに、また強く、よき人生を生き抜いていく――その歩み自体が、ドミニカ広布即社会の繁栄を示すものであり、そこに壮大な希望の未来が開かれていくのであります」
そして、「一人も漏れなく『多幸の人生』『栄光の人生』『長寿の人生』を享受せられんことを祈っております」と激励。引き続き第一回SGIドミニカ総会にも出席した。
翌日、伸一は、サントドミンゴ自治大学を訪問した。フェルナンド・サンチェス・マルチーネス総長は、微笑みを浮かべて、「わが大学は、SGI会長の幅広い人道主義的諸活動に対し、法律政治学部名誉教授の称号を授与することを決定しました」と伝え、その授与式が挙行されたのである。
伸一は、ドミニカ共和国を発つ日にも、独立公園で献花したあと、メンバーの代表二百数十人と記念のカメラに納まった。
さらに、パナマ訪問では、エリク・アルトゥロ・デルバイエ大統領と会見。そして、同国の最高勲章「バスコ・ヌニェス・デ・バルボア勲章」を受章したのである。
また、パナマ文化会館での記念勤行会に出席した彼は、唱題の大切さを訴えた。
同国滞在中、国立パナマ大学も訪問し、アブディエル・ホセ・アダメス・パルマ総長らと懇談した。同大学からは、二〇〇〇年(平成十二年)に名誉博士号が伸一に贈られている。
これらの栄誉は、学会の平和・文化・教育運動への高い評価であり、各国同志の社会貢献への賞讃と信頼の証にほかならなかった。
伸一は、自身が代表して受けることによって、創価の先師・牧口常三郎の、恩師・戸田城聖の偉業を顕彰するとともに、メンバーの懸命な奮闘に報いたかった。皆に喜びと誇りをもって、前進してほしかったのである。