「今は、別府行くより、草津行こうぜ。」――大分県別府市の観光情報サイトには、群馬県・草津温泉を勧める広告が掲載されている。なぜか▼1月に草津本白根山が噴火。麓の温泉街では宿泊キャンセルが相次いだ。一昨年の熊本地震で同じ苦しみを経験した別府市は当時、草津温泉に助けられたことへの“恩返し”も込めて今回の支援を決めたという。広告で「元気があってこそライバル」とエールを送る▼同志と切磋琢磨する喜びを知り、男子部大学校に入校した友。発心動機は「皆がなぜ輝いているか知りたくて」。会合に参加すると、自らも悩みを抱えつつ他者に尽くす同志が何人もいることを知った。“自分さえよければ”との考えが恥ずかしくなった▼彼は気付いた。“周りが元気だと自分も元気になる。人のために動くと自分が輝いていくんだ”。その実感を胸に対話し、弘教を実らせた。彼の好きな御文は「汝須く一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を禱らん者か」(御書31ページ)。四表の静謐、すなわち世界平和を目指しつつ自身の課題に挑む▼「人道的競争」の未来を展望した牧口先生は「自己と共に他の生活をも保護し、増進せしめんとする」生き方を提唱した。互いを敬い、高め合う――そんな絆が広がれば世界は明るくなる。(靖)