法悟空 内田健一郎 画 (6355)
山本伸一は、二十六日、「二十一世紀の大地に平和の賛歌」をテーマに行われたブラジル大文化祭に出席した。席上、フィゲイレド大統領からのメッセージが紹介された。
そのなかで大統領は、ブラジル創価学会が文化、教育、体育、さらには世界の平和への活動を繰り広げ、核兵器廃絶など、広範な平和運動に貢献していることを述べ、その「高貴なる理想が、実現されることを切望いたします」と期待を寄せた。
十年前、学会が政府から警戒の目を向けられ、入国のビザさえ出なかったことを思うと、まさに隔世の感があった。ブラジルの同志が社会で信頼を築くとともに、あらゆる人びとと地道な対話を展開してきた賜物といえよう。厳とした変毒為薬の姿である。
伸一は、ブラジルに次いで訪問したペルーでは、リマ市の大統領府でフェルナンド・ベラウンデ・テリー大統領と会見した。彼は、国際的に著名な建築家で、一九六三年(昭和三十八年)に大統領に就任するも、クーデターによってアメリカに亡命している。やがて帰国し、軍政から民政に移行後の初の大統領選で当選を果たした。
その大統領から伸一に、世界の平和、文化、教育への貢献を高く評価して、「ペルー太陽大十字勲章」が贈られたのである。
また、この日、伸一は、南米最古の学府・国立サンマルコス大学を、同大学の名誉教授として訪問し、図書贈呈式に出席した。伸一に同大学から、名誉教授の称号が贈られたのは、八一年(同五十六年)四月、東京の創価中学・高校の第十四回入学式の席上であった。
この授与のために、総長ら一行が、わざわざ来日してくれたのである。
伸一は、この教育交流の道を、さらに堅固なものにするために努力を重ねてきた。
さらに同大学は、二〇一七年(平成二十九年)には、彼の人間主義に基づく平和と教育の業績に対して、名誉博士号を贈っている。
切り開かれた交流の道は、何度も歩き、踏み固めることによって、大道となっていく。