名字の言

〈名字の言〉 2018年12月1日 「伸びようと努力しない人は、子どもからは無縁の人だと思います」。

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「伸びようと努力しない人は、子どもからは無縁の人だと思います」。戦前から戦後の約半世紀にわたり、国語教師として教壇に立ち続けた大村はま氏の言葉だ▼一人一人の子どもには、個性や学力などの違いはあるが「伸びたいという精神においては、みな同じ」「力をつけたくて、希望に燃えている、その塊が子ども」と氏は強調する。教育に携わる一人として、自らも“伸びよう”と努力を重ねた▼60代の時には東京教育大学(現・筑波大学)で毎月、新しい教材を作り研究授業を行った。長年の経験があれば、同じ教材で授業することもできたが、それでは「精神が老いてしまう」と妥協しなかった。退職後も98歳で亡くなるまで、講演・執筆活動にいそしんだ(『新編 教えるということ』ちくま学芸文庫)▼どれほど年を重ねても“さあこれからだ!”と挑戦をやめない人は、接する人の心をも新しくする。逆に“もうこれでいい”と現状に安住する人は、少なくとも子どもたちの手本にはならない。「教育」は「共育」。向上する大人の存在こそ、子どもにとって最高の教育環境ともいえる▼きょう1日から「未来部勝利月間」(23日まで)。宝の未来っ子たちのためにも、私たち大人自身が新たな目標を掲げ、挑戦を開始しよう。(誼)